長年にわたり活動してきた西千葉子ども起業塾を経て、2021年度に始まったSeedlings of Chiba。Seedlings of Chibaが目指すものとはなんだろうか。2020年度、学生メンバーの代表である事務局のリーダーを務めていた千葉大学教育学部4年の杉本翼紗さんに話を聞いた。
執筆者:宮崎真弥香
聞き手:池嶋倭希
杉本翼紗が語るSeedlings of Chiba
なぜ、Seedlings of Chibaに参加しようとしたのでしょうか。
もともと西千葉子ども起業塾の活動に参加をしていたことがきっかけです。この先もこの活動に取り組みたいという思いと、社会的な経験を積むことができるかなと考えて、参加をしました。
※Seedlings of Chibaは、千葉市と千葉大学と企業が連携し、子どもたちに起業家精神(アントレプレナーシップ)教育を提供することを目的とした「西千葉子ども起業塾」という活動を土台とし、設立されたものである。昨年の2020年度は、Seedlings of Chibaが立ち上がる準備期間だった。
社会的な経験というと、Seedlings of Chibaに入って社会人の方と関わる機会が増えましたよね。
そうですね。社会人との関わりの中では、メールの出し方など社会で働く上でのマナーを学べたので、良かったと思います。
このような活動に参加する前から起業家精神に興味があったのでしょうか。
もともとは、そこまで起業家教育に興味はなかったです。西千葉子ども起業塾に参加して、小学生が会社を運営しながら、様々な活動をしていくというプログラムを見て、起業家精神教育っていいなと思うようになりました。
そうなんですね。杉本さんにとってSeedlings of Chibaの運営に携わることの一番の魅力ってなんだと思いますか。
一番の魅力は、様々な企業の方と関われるところだと思ってます。最近では、ZOZOさんやイオン環境財団さんと一緒に新しい活動を作ろうとしているところです。
社会人ともっとも関わる、事務局の魅力
事務局ではどのような活動をしているのでしょうか。
※Seedlings of Chibaでは、学生がそれぞれのプロジェクトチーム(以下、PT)に入って活動している。その1つが事務局である。
事務局は、各PTの活動の様子を見ながら、指示を出すなど、主にSeedlings of Chiba全体の活動を見ています。また、予算の分配だったり、新規会員の募集だったりと様々な活動を行っています。
事務局の活動の中で、一番大変だったことはなんでしたか。
各PT内での連絡をSlackで行ったり、PTでの活動で使っている資料をGoogleドライブにあげるなどの情報共有が大変でした。
※Seedlings of Chibaのメンバーは、Slackを中心に連絡を取ってる。
では事務局の活動の中で、一番印象に残っていることはなんでしたか。
最初に、事務局の活動戦略というのを考えたんです。その活動戦略を考えていくうえで、Seedlings of Chibaを大きくしていこうという話になったことがきっかけとなり、千葉市から千葉県全体へ、さらに他の都道府県へ活動の範囲を広げていきたいと話していたことが最も印象に残っています。
Seedlings of ChibaのWebサイトを様々な方に見てもらえるように今年は頑張りたいですね。様々なPTがある中で、事務局で活動する魅力を教えていただけますでしょうか。
事務局は、社会人の方と関わる機会が特に多いので、新しい視点などを得られるというのが魅力だと思います。
学生生活の中で社会人の方と関われるのは、貴重な経験ですよね。
Seedlings of Chibaの未来
事務局で活動している杉本さんからみて、今のSeedlings of Chibaの課題は何だと思いますか。
社会人が関わってくださっている活動だからこそ、社会人の方々に頼りすぎてしまっていることが、課題だと思います。もっと学生が中心になって活動していきたいと考えています。
例えばどのような部分で感じますか。
最近で言うと、ZOZOさんやイオン環境財団さんと話しながら、新しい活動内容を作っていく時に、社会人の方からの意見を聞いて、その波に乗って学生が動いている点です。
杉本さんが考えるその課題の改善方法はありますか。
学生メンバーがSeedlings of Chibaの活動の優先順位を上がれば改善されると思います。私もそうですが、学生の意識として、このSeedlings of Chibaの活動が中心とはなっていません。学業やアルバイトなど他にもやることがある中で、Seedlings of Chibaの活動をしているため、どうしても優先順位が低くなってしまうんです。
学生は、学業や就職活動だったり色々あるので、その中でSeedlings of Chibaの優先順位を上げるというのはすごく難しいところですね。それこそ、大学に入ってすぐの1年生や2年生もどんどん巻きこんでいけると良いですね。
杉本さんが考える、Seedlings of Chibaや事務局についてこの先の展望を教えてください。
そうですね。来年の企画はどうなるかまだわかりませんが、もっと子どもたち自身で分担しやすい仕事内容を考えたいと思います。仕事内容が多いときはみんなで分担しやすいですが、時間があまりかからないような作業になると活動に関わる子と活動に関われない子で分かれてしまうことがありました。今後は、もう少し子どもたちが分担を考えやすいような仕事を私たちで考えて作っていくことが必要だと思いました。
最後に、今後この西千葉子ども起業塾を引き継いでいく後輩たちに何か伝えたいことはありますか?
昨年度考えた活動戦略の中にもあるのですが、Seedlings of Chiba自体を大きくして行きたいです。どこにいってもではないですけど、起業家教育のモデルとなる活動をしていきたいと思っています。